コロナ禍2年目で進行してきた2022年卒採用。企業の声としては採用活動のオンラインシフトには慣れつつも、特に「内定辞退」や「内定者フォロー」に関する課題が多く挙げられています。本記事では弊社調査データから読み取れる学生が求めているフォローについて解説します。
目次
- 内定充足率は平均「76.2%」、内定辞退は4割以上が「増えた」
- 採用で注力したいこと「内定者フォロー」が約5割
- 学生が内定後に抱えている4つの不安要素
- 学生の不安を解消するためのさまざまな内定者フォロー施策
- まとめ
22卒採用の採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」の平均は 76.2%でした。
7月調査(62.8%) から3カ月間の伸びは13.4ポイントにとどまり、終了率同様に前年同期(78.7%)を下回りました。
前年は、コロナ禍で遅れが生じた分、夏場に大きく伸びましたが、今年は伸びが鈍かったことが分かります。但し、終了率と同様、充足率も従業員規模が大きくなるにつれ上昇し、大手企業では8割を超えています(83.2%)。業界別では「金融」「IT」で8割超(83.6%、81.4%)となっています。
出典:ディスコ キャリタスリサーチ 新卒採用に関する企業調査(2021年10月調査)
【企業様の実際の声】
〇内定承諾者数が目標に達した時点で採用活動を終了したが、承諾後の辞退が例年より多く発生したため、
目標数を下回る結果となった。また、コロナの状況を見ながら採用活動を実施したため、
スタートが遅れたことにより質も下がっている。<専門商社/中堅>
〇質にこだわった結果として、優秀な学生は他社の内定も多くもっているため、辞退が増えた。
それにより、質には満足しているが、量が足りなくなった。 <運輸/大手>
また、内定辞退の状況については「かなり増えた」12.7%、「やや増えた」29.1% で
合わせて4割を超える企業が「増えた」となりました(計41.8%)。
これに対し、「かなり減 った」と「やや減った」の合計は17.5%。
「増えた」が「減った」の 2 倍以上に上ります。
従業員規模別に見ると、いずれの規模でも「増えた」が「減った」を上回り、
特に大手企業に おいて「増えた」の合計が半数に迫っています(計49.0%)。
また、業界別では「流通・商社」で「増え た」が「減った」を大きく上回っています。
出典:ディスコ キャリタスリサーチ 新卒採用に関する企業調査(2021年10月調査)
2. 23卒採用で注力したいこと「内定者フォロー」が約5割
こうした状況の中で2023 年卒の採用で注力したいことを尋ねたところ、
最も多かったのは、やはり「内定者フォロー」で約5割(47.1%)でした。
2022 年卒採用で内定辞退が増加したことで、辞退防止に力を入れたい企業が多いことが分かります。
これまでのリアルで行っていた内定者懇親会もオンラインが中心となり、
オンラインで関係を深めることの難しさや、そもそもフォローの内容自体がマンネリ化してしまっているなど、例年以上にフォローに課題を感じ力を入れていきたいというお声をよく頂きます。
出典:ディスコ キャリタスリサーチ 新卒採用に関する企業調査(2021年10月調査)
3. 学生が内定後に抱えている4つの不安要素
一方で、学生さんもオンライン中心の就活。企業様と同じく不安に感じています。
実際に面接がリアルからオンライン中心になったことによって、
ミスマッチが増えたり企業理解が不十分ではないのではないかと感じている学生が多いようです。
そして、実に全体の約9割の学生が内定後に何らかの不安を抱えていることが分かります。
出典:ディスコ キャリタスリサーチ『調査データで⾒る「入社に向けた内定者フォロー』(2019年9月調査)
また、これらの学生の不安要素は4つのカテゴリーに分類することができます。
「企業理解」への不安、「仕事内容」への不安、「人間関係」の不安、「社会人」としての不安の4つの不安です。これらの不安をしっかりと解消できるフォローを行っていくことが大切です。
企業理解への不安については、面談などを通じて学生の理解が不足しているところや他社と迷っているポイントを整理して必要な情報を提供することが重要です。また、仕事内容や人間関係への不安においては、働くイメージを具体的に持ってもらえるように先輩社員との交流や内定者同士との交流が大事ですので、そういった機会をしっかりと設ける必要があります。社会人としての不安の部分に関しては内定者研修や新入社員や若手の方との交流で入社後の自分をイメージしてもらって不安を解消していくことが大切です。
4. 学生の不安を解消するためのさまざまな内定者フォロー施策
では、具体的にどのような取り組みすればよいのでしょうか?
以下の表にもある通り、学生が内定先への意思決定に必要だと思うフォローとして、具体的な内容として最も多いのは「現場社員との面談」で過半数。続いて「人事担当者との面談」 、「社内や施設などの見学会」が4割前後で続いています。
意思決定の前に、どんな先輩とどのような場所(つまり人間関係や環境)で働くかを知りたいという気持ち。そして、先輩社員を通じて、どのような仕事や業務を行っていくのかについてより理解を深めたいという内定者が多いということが推測できます。もし、何をしてよいか分からないという場合はこちらのデータの上位のものから取り組みから始めてみてはいかがでしょうか。
出典:ディスコ キャリタスリサーチ 『キャリタス就活2021学生モニター調査』(2020年6月調査)
とはいえ、学生の価値観や抱えている不安もそれぞれで異なってくることの方が多いかと思います。
そこで、今回はさまざまな内定者フォロー施策と学生の4つの不安要素を照らし合わせてそれぞれの不安要素にどういった取り組みが適しているかをまとめてみました。もちろん、内容次第というところもありますが、今後内定者のフォロー施策をご検討される際の整理にご活用頂けますと幸いです。
5. まとめ
今回は内定者フォローについて解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
何か内定者フォローについてご検討される際の参考となれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。