
27卒向けインターンシップ等の成果を高めていきたいと考えてはいるが、特に改善もできないまま、昨年通りになってしまっている、という企業様も多いのではないでしょうか。とはいえ「何を変えたらいいのか分からない」「成功している企業は何が違うのか」と感じる方も少なくありません。本記事では、実際の学生の声をもとに、学生の満足度が高かったインターンシップ等のプログラムの共通点を分析。プログラムの形式や内容、どんな点に気を付けているのか、など皆さまが気になる内容をお伝えいたします。
1. プログラムタイプや実施期間は?
「満足度が高い・成功している企業は『5日間以上のインターンシップ』を実施している。」「半日程度のオープン・カンパニーでは学生満足度は高められない。」こんなご意見を頂くこともあります。しかし、実際に学生の満足度が高かった企業のプログラムを調べてみたところ、半数以上は「オープン・カンパニー」となりました。それに関連し、実施期間も半日~1日のものが約半数と、実施日数が短めであっても高い満足度を実現されており、「短期=効果が薄い」というわけではないことが分かります。
ただ、短くても良いと安直に考えるのではなく、限られた時間内でも企業理解が進み、社員との交流や社風に触れられる工夫がされているという点には留意をしておく必要があります。開催形式や期間よりも、「その時間内で何を伝えるか」が成果に直結していると考えられます。
『キャリタス就活 学生モニター2025 インターンシップ等に関する調査レポート 調査結果』(2024年4月)
参加したプログラムにおいて下記該当のみ集計(n=94)
満足度:大変満足、志望度(プログラム参加前):志望していなかった
志望度(プログラム参加後):この企業に就職したい、プログラム参加後のアクション:エントリーした
2. どんなプログラムを行っている?
多くの担当者が気になるプログラムについても、成果を出している企業が特別なことを実施しているということはありません。講義やグループワークというプログラムが多くなっています。また近年、社員との懇談、座談は学生人気も高く、多くの企業が取り入れるプログラムとなってきています。
「インターンシップやオープン・カンパニーは対面かオンライン、どちらが良いですか?」こんな質問もいただきます。これは面接等でも似た傾向にありますが、企業も学生も使い分けてきています。期間が短め、まずは情報を知るところから始めていく場合にはオンライン、もっと深くリアルな情報を求めていく場合には対面が好まれています。実際に成果を出している企業においても、実施形式は対面とオンラインは二極化の様子です。特徴的な点としては、オンラインであってもオフィスツアーや動画など、職場の雰囲気を伝えることができる取り組みをされる企業も増えてきております。学生が必要とする情報は対面であっても、オンラインであっても、提供していくようにするのがおすすめです。
『キャリタス就活 学生モニター2025 インターンシップ等に関する調査レポート 調査結果』(2024年4月)
参加したプログラムにおいて下記該当のみ集計(n=94)
満足度:大変満足、志望度(プログラム参加前):志望していなかった
志望度(プログラム参加後):この企業に就職したい、プログラム参加後のアクション:エントリーした
3. 学生が「この企業に就職したい」と感じた理由は?
インターンシップ等を通じて、学生は何に魅力を感じているのかは気になるところかと思います。「事業内容に興味が沸いた」という理由とともに、「職場の雰囲気がよかった」が70.2%と同率TOPとなりました。「自分が成長できそうに思えた」という意見は41.5%と第3位となっています。
また、学生がよく口にする「雰囲気がよかった」という言葉。その中身を紐解いてみると、単に仲が良さそうというだけでなく、「上下関係なく意見が言えそう」「ワークライフバランスを大切にしている」といった要素が含まれています。特に最近では、若手社員が活発に発言している様子や、リラックスした社内コミュニケーションの一場面が、学生に強い印象を残しています。これらは、形式的に“雰囲気の良さ”を演出するのではなく、日常の職場像を自然に見せることで伝えられるものと考えられます。
『キャリタス就活 学生モニター2026 調査結果』 (2025年1月)
4. 成功している企業が意識していることは?
「プログラムも実施形式も、自社とあまり変わらないのでは?」と感じた方も多いと思います。では、成果を出している企業は何を意識しているのでしょうか。学生のコメントから紐解いてみました。プログラムにおいては、奇抜な内容ではなく、「自社らしさ」の表現が的確である点が特徴として挙がります。たとえば、他社商品の比較を用いた商品開発ワーク、取引先の協力を得たリアルな体験型ワークなど、入社後の実際の業務に近い臨場感あるプログラムが学生の関心を引いています。また、働き方や制度など、事業以外の“会社として大切にしていること”が伝わるよう設計されていることも特徴です。
そして、もう1点大切なこととして、参加してくれた学生に配慮する、学生目線の一貫した対応も学生の心を惹きつけている要因となっているようです。
『キャリタス就活 学生モニター2025 インターンシップ等に関する調査レポート 調査結果』(2024年4月)
さいごに
ここまで、成果を出している企業のインターンシップやオープン・カンパニーの特徴や学生の声を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。ご紹介したように、学生の満足度を高めているインターンシップ等は、必ずしも長期・対面・実務体験型など、「余力のある企業だけが実現できるもの」とは限りません。限られた時間でも、自社らしさや社員との交流、プログラムを通じた学生とのコミュニケーションにこだわることで、高い評価を得ている企業は多く存在します。27卒に向けた設計においても、「どんな内容で、どんな体験を届けるか」を見直すことで、他社と差がつくインターンシップやオープン・カンパニーの実現ができます。ぜひ、こちらを参考に取り組めるところから始めてみませんか?
最後までお読み頂きありがとうございました。

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